たまたまのきっかけで手にした小説、瀬尾まいこさんとは初対面ですが、悩み多き若き女子の気持ちをさりげなくかわいらしく教えてくれて、20代で読んだらこの人にハマっていたかもと思える一冊でした。
なるほど。と勉強になった表現もありました。「まだ11月の初めなのに、北の夜空は空気がきっぱりと澄んでいた」。冬を迎える少し前、きりっと冷え、凛とした透明感ある田舎の夜を伝えるのに、きっぱりと、という言葉は的確すぎて、そういう手があったかと。一つの言葉に繊細に心配りしている瀬尾まいこさんの姿勢にも感心。さすがプロですね。